海外のスタートアップ界隈で「議事録といえばこれ」という位置を取りつつあるのに、日本語の紹介記事がほとんど無いアプリがあります。ロンドン発の AI 議事録アプリ「Granola(グラノーラ)」です。何をしてくれるのか、日本語の会議で使えるのか、料金はいくらかを公式サイトの情報をもとにまとめます。

Granola とは

Granola は、会議中の音声を AI が文字起こしし、自分が取ったメモと突き合わせて「読める議事録」に整えてくれるアプリです。公式サイトは「立て続けに会議がある人のための AI メモ帳」と説明しています。

いちばんの特徴は、会議に「ボット」を参加させないことです。AI 議事録ツールの多くは、参加者一覧に「〇〇 Notetaker」のような名前のボットが入ってきて、相手に「録音されている」と意識させてしまいます。Granola は PC のシステム音声とマイクを直接拾う方式なので、参加者一覧には何も現れません。Zoom・Google Meet・Microsoft Teams など、会議ツールを問わず動きます。

もう一つの特徴は、「AI に全部任せる」のではなく「自分のメモを AI が補完する」設計です。会議中に自分で短い箇条書きを打っておくと、終了後に AI がそのメモを文字起こしと照合し、抜けていた文脈や決定事項・アクションアイテムを補って整えます。自分の視点が残るので、「誰のものでもない要約」になりにくいのが好まれている理由です。

運営会社は 2023 年にロンドンで創業したスタートアップで、2026 年 3 月には Index Ventures 主導で 1.25 億ドルを調達し、評価額 15 億ドルに達したと報じられています。公式サイトでは Vanta、Gusto、Asana、Cursor などを導入企業として挙げています。

日本から使えるか

結論から言うと、日本からダウンロードして、日本語の会議で使えます

執筆時点(2026 年 9 月)で、公式サイトが案内している対応 OS は macOS・Windows・iOS・Android の 4 つです。iOS 版は日本の App Store でも配信されており、無料でダウンロードできます(iOS 18 以降)。Windows 版と Android 版は比較的新しく、Android 版は 2026 年に提供が始まったばかりです。

日本語対応については、公式ヘルプセンターの「Multi-language support」ページに明記があります。文字起こしの対応言語一覧に日本語(Japanese)が含まれており、デスクトップ版・モバイル版の両方で対応しています。一方で、同じページに「アプリのインターフェース(メニュー・ボタン・設定)は現在英語のみ」とも書かれています。つまり、議事録は日本語で出せるが、操作画面は英語という状態です。画面はメモ帳そのものでボタンが少ないので、英語が苦手でも迷いにくい部類だと思います。

使い方(登録〜最初の一歩)

公式サイトとヘルプセンターの案内をもとに、最初の流れを整理します。

  1. 公式サイト(granola.ai)からアプリをダウンロードする。Mac / Windows はサイトから、iPhone / Android は各アプリストアから入手します。
  2. Google または Microsoft のアカウントでサインインし、カレンダーを連携します。カレンダーに入っている会議を Granola が自動で検知し、開始時刻に「メモを取り始めるか」を聞いてくる仕組みです。
  3. 言語設定を日本語にする。 デスクトップ版では「Settings > Preferences > Language」から、文字起こしと要約に使う言語を選べます。ここで日本語を選んでおくと、日本語の会議がそのまま日本語で書き起こされます。モバイル版は言語を自動検出するため、この設定は不要とヘルプに書かれています。
  4. 会議が始まったらメモ帳に短い箇条書きを打つ。 一言二言で構いません。会議が終わると、AI がメモを整えた議事録を生成します。
  5. 議事録をチャットで深掘りする。 「決定事項だけ抜き出して」「次のアクションを一覧にして」のように、生成された議事録に対して質問できます。

なお、私はこの記事の執筆にあたって実際に会議で試したわけではありません。上の手順は公式の案内に基づく整理です。

料金

執筆時点(2026 年 9 月)の公式料金ページでは、次の 3 プランが案内されています。

プラン 料金 主な内容
Basic 無料 会議履歴の閲覧に制限あり。多言語対応・AI チャットは利用可
Business 1 ユーザーあたり月 14 ドル 会議メモと履歴が無制限
Enterprise 1 ユーザーあたり月 35 ドル 管理者機能・エンタープライズ向けセキュリティ

無料プランの「履歴の制限」が具体的に何件(何日)なのか、年払い割引があるかは、料金ページに記載がありませんでした。公式サイトで要確認です。まず試すだけなら無料プランで十分で、過去の会議をさかのぼりたくなったら Business を検討する順番で良いと思います。

似た日本のサービスとの違い

日本で AI 議事録というと、Zoom や Google Meet に内蔵された要約機能、あるいは Notta のような文字起こしサービスが思い浮かびます。Granola との違いは大きく 2 点です。

  • ボットが入らない: 多くのサービスは会議にボットを参加させて録音しますが、Granola は PC の音声を直接拾うので相手側には何も見えません。対面の打ち合わせでも、PC を机に置いておけばそのまま使えます。
  • 「自分のメモ」が起点: 内蔵の要約機能は会議全体を機械的に要約しますが、Granola は自分が書いた箇条書きを軸に AI が補完します。逆に言えば、一言もメモを取らない全自動の使い方には向いていません。

注意点(英語 UI・決済・地域制限)

  • UI は英語のみです(執筆時点、公式ヘルプに明記)。議事録本体は日本語で出ますが、設定画面や通知は英語です。
  • 有料プランの決済はドル建てです。日本のクレジットカードで支払える見込みですが、為替によって円換算額は変わります。
  • 相手の同意を取ることは忘れないでください。ボットが表示されないぶん、相手は録音に気づきません。会議の録音・文字起こしは事前に一言断るのがマナーであり、社内ルールで禁止されている場合もあります。
  • Android 版は新しいため、iOS 版と機能差がある可能性があります。公式サイトで要確認です。

まとめ

Granola は、会議にボットを入れずに AI 議事録を作れる、ロンドン発のアプリです。執筆時点(2026 年 9 月)で macOS・Windows・iOS・Android に対応し、日本語の文字起こし・要約にも対応しています。操作画面は英語のみですが、画面がシンプルなので使い始めるハードルは低いでしょう。無料プランから始められるので、「会議のたびにメモと聞くことの両立に困っている」人は、まず 1 回の会議で試してみる価値があると思います。

本記事は執筆時点の公開情報に基づいています。料金・機能は変更される場合があります。